就活鉄人化計画2011/講師:坂本直文氏

就活鉄人化計画2011 第10回 4月号
エントリーシート合格の速効策。書く力はこれで高まる

みなさん こんにちは。

今回は、集団討論試験の対策法についてレクチャーします。

面接再現:最初にこの議題の意見を考えてください。

集団討論試験で実際にあった議題です。参考までに企業名を付記していますが、他の企業でも頻出です。自分の志望企業の試験で出題されたと想定して、意見を考えてみましょう。
  1. 当社の顧客を増やすために新しくすべきことは何か?(JTB、その他)
  2. 当社の商品の販売促進方法を考えてください(資生堂、その他)
  3. 若者の食生活に関する今後の課題、当社ができること(ハウス食品、その他)
  4. 当社の新商品を考えてください(森永製菓、その他) 
  5. 当業界ができる社会貢献とは何か?(電通、その他)
  6. 高速道路の料金割引に対抗するにはどうしたらよいか(JR東日本、その他)
  7. 当社の弱みとその改善策について(ANA、その他)
  8. 世の中に影響を与えた人達の共通点は何か?(ベネッセコーポレーション、その他) 
  9. ついて良い嘘はあるか?(三菱東京UFJ銀行、その他) 
  10. 若手社員に必要な資質とは何か?(カゴメ、その他)
(※筆者の就職講座受講生の就活レポートより)
各自の個性や状況に合わせた受かり方があります。企業の立場に即した実践的な意見が言える人は、下記の『集団討論の受かる5タイプ』の@、A。ゼミ等で司会役の経験豊富でまとめるのが得意な方はB。議題に関する知識が乏しい方、または、議論が苦手な方は、C、Dのやり方で受かります。

集団討論の受かる5タイプ

集団討論では、結論を出すために貢献する受験者が高評価を得ます。主な貢献の仕方は、以下のタイプがあります。たとえ苦手な分野のテーマが出題され、意見を言うことが難しい場合でも、CかDの役割をしっかり担えば合格圏内に入ります。
@ 議論の流れを切り開く、積極的な発言をする受験者
常に真っ先に手を上げて、意見を述べ、議論の流れを切り出す人です。この受験者がいることにより、議論が停滞することはありません。よって、議論の進行、活発化に対する貢献度が非常に高いので、面接官の高評価が得られます。
A 議論の内容を深める、印象的な発言をする受験者
議論の内容を深めるデータ、具体例を挙げたり、新規性のある意見を言ったり、面白いキャッチフレーズを作ったり、心を掴むエピソードを述べたりする人です。議論の進行、内容の充実に対する貢献度が非常に高いので、面接官の高評価が得られます。
B 司会として、議論の結論を時間内に導き出す、まとめ上手な受験者
討論の参加者全員を、司会技術を使って操り、意見を引き出して、賛成派と反対派などと分けて活発に戦わせ、時間内に有益な結論をまとめ上げる人です。議論の進行、結論を出すことに対する貢献度が非常に高いので、面接官の高評価が得られます。
C タイムキーパーとして、時間や段取りの管理を的確に行う受験者
限られた時間の中で話し合いをしなくてはならないので、時間管理は非常に大切。経過時間や残り時間、所要時間、目標時間等を要所要所で告げ、時間や段取りの管理をすると存在感が出てきます。議論の円滑な進行、結論を出すことに対する貢献度が非常に高いので、面接官の高評価が得られます。大きめの時計を持参し、テーブル上に置くパフォーマンスをする学生も見受けられます。
D 書記係として、内容の発表をしながら、議論の活性化に貢献する受験者
メンバーの各意見をメモする役割もとても重要。ただし、ただ書くだけではダメです。要所要所でどんな意見が出てきたかとか、プロセスやまとめの発表をすることが大切。これにより議論に貢献できますし、存在感が出てきます。議論の活性化、結論を出すことに対する貢献度が非常に高いので、面接官の高評価が得られます。大きな紙を用意して、全員に対して、論点が一目でわかるように書くなどの工夫をする学生も見受けられます。

集団討論の盲点:外見・話し方の気配り・5つのポイント

受験者が気づきにくい盲点は、面接官は、受験者の話し方や態度といった外見面もチェックしていることです。例えば、姿勢が悪かったり、ダラダラしゃべったり、暗い表情でボソボソ答えていたり、にらみつけるような顔をしていたり、人が発言しているのに、手遊びやペン回しをしていたり、下を向いてばかりいると評価は非常に低くなります。外見面もぜひ気をつけてください。高い評価を獲得するためのポイントは5つあります。受験者が思っている以上に高評価が得られるのは(聞き上手・参加意識の高さが感じられる)Bです。
  • 明るい笑顔(生き生きとした明るい表情を維持)
  • 真っ直ぐな姿勢(気合の入ったビシッとした姿勢を維持)
  • 積極的な参加態度(発言者の方を向き、相手の目を見て頷きながら意見を聞く)
  • 聞き取りやすい声(離れた位置にいる面接官にも聞こえる大きめの声)
  • 結論からしゃべる(「結論→理由、具体例」の順に簡潔に)

集団討論の意図とは

面接官が集団討論試験を行う意図は、集団討論において受験者が担った役割や態度・行動から、実際の職場で「どのような社員になるか」を類推することです。集団討論試験とは、実は、職場における仕事のシミュレーションのようなものです。採用したとして、職場で企画会議などをやったら、どのように振舞う社員になるかをチェックしているのです。
集団討論で受かる人は、「討論の勝利者」ではありません。「議論の活性化のために貢献した人」です。誤解してはいけないことは、集団討論試験とは、相手を論破することが目標の試験ではないことです。受験者の中には、ライバルに勝ちたいという思いから、相手を論破することに夢中になって、攻撃的な態度をむき出しにしてしまう人が見受けられますが、このような人は面接官の評価は低くなります。根本的に大切なのは、他のメンバーのことを思いやり、全員で有益な討論を行おうとする態度です。能力も高く人柄も良い人物こそ、一緒に働きたいと思われ、面接官の高評価を得られます。

内定者はこう書いた!エントリーシート完全版 著者
就職コンサルタント・心理カウンセラー/坂本直文