就活鉄人化計画2011/講師:坂本直文氏

就活鉄人化計画2011 第11回 5月号
落ちたことを内定力に変えた人。逆境を内定力に変えた実例

みなさん こんにちは。

今回は、何社も何十社も落ちたりして、就活が思うようにいっていない状況の対策についてレクチャーします。

面接再現:まず、この質問に答えてください。(実際にあった質問)

以下の質問は、入社試験の面接で実際にあった質問です。参考までに企業名を付記していますが、他の企業でも頻出です。自分の志望企業の面接試験で出題されたと想定して、回答を考えてみましょう。
  1. 挫折した経験とそこから得たものは?(ワコール、味の素、JR東海、東京電力、その他)
  2. 困難に直面した時、どう行動しましたか?(パナソニック、オリエンタルランド、その他)
  3. 人生で一番の失敗は何ですか?(ベネッセコーポレーション、バンダイ、その他)
  4. 人生で一番、苦しかったことは何ですか?(住友商事、武田薬品工業、その他)
  5. ストレスはどんな時に感じますか?(キッコーマン、三井住友海上保険、その他)
  6. ストレスがたまった時はどう解消しますか?(日本IBM、東芝、ソフトバンク、その他)
  7. 今まで辛いと思ったことは?それを続けることができた理由は?(野村證券、その他)
  8. アルバイトやサークルを辞めようと思ったことはありますか?(朝日新聞社、その他)
  9. 達成困難と思われる高い目標を掲げて努力したことはありますか?(日産自動車、その他)
  10. 他社の受験状況は?落ちた理由は何だと思いますか?(積水ハウス、JTB、その他)
(※筆者の就職講座受講生の就活レポートより)
これらに共通して言えることは、各質問の背後に“挫折克服力”や“ストレス耐性”の高い人物を採用したいという面接官の強い思いがあることです。就職の試験では、“挫折克服力”や“ストレス耐性”が極めて重視されます。この理由は、入社後の仕事では、困難・失敗・挫折の連続であり、“挫折克服力”や“ストレス耐性”が高くないと乗り越えることができないからです。
なお、40代〜60代以降の面接官は一般的に、草食系タイプよりも、肉食系タイプの打たれ強く逞しい人材を好む傾向があります。なので、このような質問をすることが特に多いです。

事実、各企業は、何十社も落ちた学生を採用している

『何社も落ちていると、不利になると誤解してはいないでしょうか??』。決して不利になることはありません。どうか企業の採用方針を誤解しないでください。5社や10社程度落ちただけで、萎縮しないでください。希望を失わないでください。
内定者の多くは、1社の内定の背後にその10倍〜20倍の不合格があるのが当たり前です。エントリーシート落ち、筆記試験落ち、一次面接落ち、二次面接落ち、グループディスカッション落ち、グループワーク落ち・・・、10社も20社も落ちて、そのたびに反省し、勉強し直して力をつけ、その結果、内定を掴んだのです。
私が各大学で講師を務める就職講座の学生の例を挙げると、
  • ・博報堂に内定したNさんは、それまでに23社落ちています。
  • オリエンタルランドに内定したOさんは、それまでに25社落ちています。
  • NHKに内定したAさんは、それまでに30社落ちています。
  • 朝日新聞社に内定したMさんは、それまでに78社落ちています。
  • ベネッセーコーポレーションに内定したKさんは、それまでに28社落ちています。
  • 東芝に内定したSさんは、それまでに32社落ちています。
  • 資生堂に内定したHさんは、それまでに28社落ちています。
  • 東京海上日動火災に内定したYさんは、それまでに30社落ちています。
このような学生の事例は挙げたらきりがないです。各企業は、たとえ何十社も落ちている学生であろうと採用しています。他社を落ちたからといって、それだけで門前払いをしている企業はありません。
不合格は数社程度で、スピーディに内定を取り、就活を終えている学生もいます。しかし、それはごく一部であり、ほとんどの学生は、10社や20社程度は当たり前のように落ちていて、自分の甘えや油断、適性の不一致、準備不足を実感し、粘り強く自己改革の努力をして内定を掴んだのです。

面接官が採用したいのは、落ちたことがない人ではない

再度、強調しますが、何社も落ちたからと言って、決して不利にはなりません。なぜなら、面接官が採用したいのは、“落ちたことがない人”ではなく、“何社落ちても粘り強く受け続ける、強い精神、挫折克服力がある人”だからです。以下、大切なことを整理します。
面接官が採用したいのは、
  • 落ちたことがない人ではなく、何社落ちても諦めず、粘り強く努力し続ける人
  • 挫折をしたことがない人ではなく、挫折を乗り越える、強い精神の人
  • 失敗をしたことがない人ではなく、失敗から教訓を学び、成長することができる人

不合格をマイナスに捉えるのではなく、プラスに捉える人こそ受かる! 

「落ちた企業はありますか?落ちた理由は何だと思いますか?」 就職活動の後期になると、このような質問をする面接官が多くなります。重要なのは、この質問の意図を正しく認識することです。
最高の評価を得るのは、「落ちた企業はありません」と答える学生ではないことを知ってください。
落ちているのに、全て受かっているような嘘をつく必要は全くないです。また、落ちていることに引け目を感じる必要もありません。というのは、最高の評価を得るのは、不合格をプラスに捉えて、落ちた企業を堂々と述べ、落ちたことにより、自分がどんな教訓を得たか、その後、どんな自己改革をしたかを具体的に語る人だからです。
内定者の返答実例
「落ちたのは例えば○○社です。落ちた理由は、テレビCMの華やかなブランドイメージでしか企業を見ていなかったからです。これを反省して、今までは、店舗見学や工場見学、OB訪問もして、仕事の中身までしっかり研究するようにしています。その結果、御社の仕事にこそ、心から取り組みたいと思うようになりました」
※これはあくまで一例です。重要なのは、自分自身のケースに合わせて、しっかり理由を分析し、最適な行動をすることです。

落ちたことを内定力に変えるには

最後のまとめです。落ちたことや逆境について質問されたら、逞しいアピールができるチャンスと(前向きに)考えましょう。弱気は禁物です。
回答のポイントは、落ちたこと(逆境)から、
  1. 何を教訓として学んだか、
  2. その後、どんな自己改革(行動)をしたか
この2点です。これらを笑顔で具体的に述べることができると、面接官の評価は格段に上がります。

内定者はこう書いた!エントリーシート完全版 著者
就職コンサルタント・心理カウンセラー/坂本直文