坪田まりこの就職塾2011

坪田まりこの就職塾2011 第8回
「絶対に選ばれる学生になる」大作戦・面接対策第三弾 プレゼンテーション能力の高め方

はじめに

みなさん、こんにちは。

早いもので節分も過ぎ、暦の上ではもう春。春といえば、私は花粉症。就職活動中のみなさんにとっては、いよいよ活動も本番!お互いに憂鬱ですねえ(苦笑)。それともみなさんはワクワクでしょうか。ワクワクであることを期待したい限りです。
少なくとも、面接に行く前に、ドキドキしていても仕方がないですよね。何事も行ってみなければ、分かりません!既に面接を受けて、内々定をとった学生もいらっしゃるようですが、一つひとつ目の前にあることを精一杯大切に且つ真面目に対応しつつ前進していただきたいと願っています。

さて、今回は全ての面接に通用するプレゼンテーションの高め方についてお話します。自己PRも志望動機を述べるときも、そして、説明会に参加をするときも効果的なプレゼンテーションが出来るといいですね。

プレゼンテーション能力を高める3つのポイント

  1. 誰が
  2. 何を
  3. どのように
この3つがポイントです。これだけでは分かりにくいのでもう少し補足をするならば、
  1. 誰が=人間的魅力
  2. 何を=話の内容・構成
  3. どのように=話し方・伝え方
となります。
さて、みなさん。効果的なプレゼンテーションをするためには、上記(1)から(3)のどれが一番重要だと思いますか?
学生に対してのみならず、社会人にもこの質問をいたしますが、答えは様々。しかし最も多い答えは、(1)話し方・伝え方が一番にくることです。
私の正解は、下記のとおりです。
一位:誰が=人間的魅力
二位:どのように=話し方・伝え方
三位:何を=話の内容・構成
なぜこうなるか分かりますか?誰よりもみなさんの方が分かっていらっしゃると思いますが、昨今の面接が人物重視だからです。

面接で見られていること

申し上げるまでもなく、大手になればなるほど、まずエントリーシートという書類選考があります。
企業様によっては、面接の前に、筆記試験をも先にするところがあるようです。ということは、こんなシチュエーションを経たあなたが「面接に呼ばれた」ということは、筆記試験を含む書類選考を通過したということ。
その意味は、面接に呼ばれた全員が、その企業に入る可能性があるということ。言い換えれば、面接を受ける誰もが、内定をとる可能性があるということです。
既にエントリーシートを書いていらっしゃる方が多いでしょう。まさにこの時期、提出期限のせまったエントリーシートを書くだけでストレスを感じている方もいらっしゃるはずです。そしてそこに貼る証明写真にも気を配り、対策を書き上げてようやく投函!
本来ならば、これだけで充分ですよね。なぜならば、面接こそ限られた時間の中での質疑応答のやりとりであり、ここまで入念にぎっしり書かれたエントリーシートの方が、よっぽどその学生の考えていることが分かりそうなものだからです。
しかし、これではダメなんです。未来永劫、採用面接だけはなくならないと私が思っている理由は、「一目会うだけで、あなたのことが分かる」からです。
心当たりはありませんか?あなたのエントリーシートの内容は、等身大の自分のことが書かれているでしょうか。嘘、偽りは書いていないと思いますが、それでも多少、自分のことをよりよく見せるための表現の工夫がなされていないでしょうか。そうだとしたら、なおさら、面接の意義があります。
企業が採用する学生とは、いろんな見方・選び方があって然るべきですが、共通して言えることは、 あなたを採用することで企業イメージがもっとよくなること

あなたに名刺を持たせる=企業イメージがよくなるということ

その結果、あなたもそして企業もさらに大きな信頼を得ること
こんなイメージでいかがでしょうか。総合職に就く、一般職に就く場合のどちらも、採用されるということは、あなたにその企業に名刺を持たせることが出来るかどうかにかかっていると思います。営業に行く、行かないに関わらず、採用=その企業の顔になるということだからです。
面接とはまさにプレゼンテーションの連続です。面接室のドアを開けた瞬間から、あなたの第一印象が見られていますよ。
エントリーシートに書いてあるとおりのあなたであるかどうか、相手から見極められる前に、まずは自分自身が想像すべきことだと思います。その上で、どう考えても面接が苦手で堂々と立居振舞うことが苦手な人は、早くから対策を立てることも必要だと私は考えています。先に述べた企業説明会からプレゼンテーション能力は試されています。話の聴き方一つ、挨拶一つをとっても、それがあなた自身の人間性を見極められることにつながるからです。この辺りが心配な方は、前号の第7回「会社説明会に参加をすることで“選ばれる学生になるための”秘訣」をご参照ください。

対策その1 第一印象編

メラビアンの法則をご存知でしょうか?第一印象の創出要因を明らかにしたものです。この法則には賛否両論あるようですが、私は面接においては充分信憑性があるものだと言えると考えています。
  • 目から判断される要因 55%
  • 耳から判断される要因 38%
  • 言葉から判断される要因 7%
です。先に述べたプレゼンテーション能力の高め方3つのポイントと同じであることがお分かりいただけますでしょうか。
  • 目から判断される要因=人間的魅力
  • 耳から判断される要因=話し方・伝え方
  • 言葉から判断される要因=内容・構成
となります。
それぞれを自己採点するために、チェックポイントをまとめてみました
目から判断される要因
  • 最後まで落ち着いて姿勢正しくしているか
  • お辞儀は正しく出来たか
  • 目線は相手に向けられていたか
  • 表情は豊かであったか
耳から判断される要因
  • 大きな声・聞きやすい声・明瞭な声であったか
  • 早口ではなかったか
  • 抑揚やメリハリがついた話し方であったか
  • 語尾が上がったり下がったりしていなかったか
  • 語尾まではっきり話すことが出来たか
言葉から判断される要因
  • 敬語は正しく使えたか
  • 終始丁寧語で話すことが出来たか
  • 学生言葉(省略語など)は使わなかったか
  • センテンスが長すぎて分かりにくい話し方ではなかったか
  • 気になる口癖がなかったか
  • 内容が分かりやすかったか、など
いかがでしょうか。面接を受ける前に、まずこれらのことを意識なさること。そして面接を終了した直後に、これら一つ一つのことをチェックなさることをお勧めします。

対策その2 声の力編

声が小さいだけで、厳しい見方をされるはずです。なぜならば、聞こえない=最大のマナー違反だからです。“私は声が小さくて大きな声が出せませんから、どうか聴く努力をしてください”と相手に言っていることと同じなんですよ。相手との距離間をしっかりと考えた上で、相手に聞こえるような大きさで話すことがまず大切です。
聞こえたとしても、力弱い声はいただけません。腹から声を出すつもりで、しっかりと強調したいところには強弱をつけるなど、メリハリのある話し方ができるようになりましょう。
自分の声には、自分では気がつかない特徴もあります。1分PRまたは3分PRなどを自分で創り、一度自分の声を録音してみましょう。ビデオがある方は録画をもできれば、顔の表情と声の力が分かるはずですよね。
私の自己PR特訓講座では、声の練習に力を入れています。面接こそ、声の力、表情でしっかりと相手に自分の気持ちを伝えるべきだと考えているからです。ぜひみなさんもこの点を意識して、普段の生活から、しっかりと相手に聞こえるよう、力のある話し方ができるようになってください。
もう一つの対策、「何を=話の内容・構成」につきましては、次回第9回「自己PR・志望動機を強化する」でお話します。お楽しみに。

集団面接こそ、人間的魅力で勝負する

大手企業になるほど、先に集団面接やグループディスカッションという形式が多いと思います。理由は簡単ですよね。
エントリーシートで書類選考をした後、まずは絞込みをする必要があります。全ての学生一人ひとりに個人面接をすることが大変だからです(但し、比較的大量に採用してくださるメガバンクでも、全て一人一人に個人面接をする企業もあります。まさに人物重視の厳しい面接です)。個人面接が、仮に優秀な人間を探しだすのが目的だとしたら、集団面接とは大勢の志望者を短時間に評価し、大量の絞込みが目的だと考えると分かりやすいと思います。だからこそ、第一印象で負けないこと。第一印象こそ、「誰が=人間的魅力」の重要ポイントだからです。
チェック事項は下記のとおりです
  1. 立居振る舞い
    ・姿勢を正す
    ・目線をまっすぐに
    ・テキパキとした動きをする
  2. 話し方
    ・声は明瞭且つハキハキしているか
    ・分かりやすく簡潔にまとまっているか
    ・一人だけ長く話しすぎていないか、など

まとめ

毎年毎回、学生を応援していて残念に思うことがあります。一人ひとり本当に真面目に誠実に自分の就職活動に向き合っていらっしゃるのだけど、ここ一番という面接で力を発揮できない学生が少なからずいらっしゃることです。

とくにこの数年は、大人しい学生が増えたように思います。大学生活というような集団生活の中では、大人しいのは、騒々しいよりも評価は高かったかもしれません。しかし就職活動も、大人しい=美徳?私はそうは思いません。
もっと熱く自分の思いを語るべきですし、もっと一生懸命、分かってもらう努力をすべきだと考えているからです。
効果的なプレゼンテーションには、先に述べた3つのポイントにもう一つプラスする必要があるでしょう。
それは勇気です。
自分に自信がなくても、それでもこの企業に入りたいという強い思いは、ちゃんとあなた自身を通して伝えるべきだからです。
 全てが意識からはじまるのではないでしょうか。第一印象だって、ボンヤリしていれば、つい周りの学生に圧倒されたり、または振り回されたりすることもあるでしょう。
もっと自分を好きになって、
そして勇気を出して!

かけがえのないあなたの今、この瞬間をもっと大事にして過ごしてくださいますように。
それではまた来月お目にかかりましょう。
心、そして体、とにかく健康第一であることもお忘れなく。

坪田まり子