保護者のための就活ガイド

  • 就職コンサルタントの坂本直文です。
  • 私は約20年間にわたって全国82大学で就職講座の講師を務めてきました(東京大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学、法政大学、武蔵大学、明治学院大学など)。指導した学生は7万人を超えます。近年は、就活生の子供を持つ保護者からも多数の質問を頂いています。とりわけ重要な質問について、このサイト内で4回に分けて丁寧にお答えしていきます。

【第一弾】
【就活スケジュールについて】
激変の就活スケジュール。企業の採用活動はこうなっている!

◆保護者から寄せられた質問

“就職活動のスケジュール”についてぜひ教えてください。

最近、新聞で「大手企業は夏にインターンシップを行い、採用活動を開始している」という記事を読みましたが、私の子供(大学3年生)はノンビリしていて就職活動を頑張っている様子が見られません。夏のインターンシップも参加しておらず、心配になってきました。
・『企業の採用の動きはどうなっているか』
・『学生はいつから何をすべきか』
こういったことを具体的に知りたいです。

◆坂本直文からのアドバイス

企業の採用スケジュールを知り、それに合った就職活動を行うことはとても重要です。
以下、参考にしてください。

『企業の採用の動きはどうなっているか』について

企業の採用の動きを時系列で示すと9段階(時期(1)~(9))です。

時期(1)
【3年生の5月~7月】会社説明会、および、夏インターンシップの募集
時期(2)
【3年生の8月~9月】夏インターンシップの開催
時期(3)
【3年生の10月~11月】会社説明会、および、秋インターンシップの募集&開催
時期(4)
【3年生の12月~1月】会社説明会、および、冬インターンシップの募集&開催
時期(5)
【3年生の2月】会社説明会、および、春インターンシップの募集&開催
時期(6)
【3年生の3月~4年生の6月】会社説明会、および、春・本選考試験の実施
時期(7)
【4年生の7月~8月】会社説明会、および、夏・本選考試験の実施
時期(8)
【4年生の9月~10月】秋・本選考試験の実施
時期(9)
【4年生の11月以降】(一部の企業は)冬・本選考試験の実施

近年は、インターンシップ(夏、秋、冬、春に実施)を実質的な選考試験としている企業が増えています。大企業の平均ですが、インターンシップ参加者の20%程度が面接試験に進んでいます。そして、参加者の2%程度に内定が出ています。なお、インターンシップの選考試験で落ちても、その後のインターンシップや本選考で不利にはならないので、積極的に参加するとよいです。

◆『学生はいつから何をすべきか』について

就職活動の開始時期は、志望企業がA~Cのどのカテゴリーかによって異なります。
・A:日系の大手企業
・B:外資の大手企業
・C:日系の中堅企業・地元企業

※文中に出てくる(1)〜(9)にPCでご覧の方はカーソルを上に乗せると時期が表示されます。スマートフォンでご覧になっている方はタップすると表示されます。

A:日系の大手企業を志望する学生の場合

就職活動の開始は(1)もしくは(3)にすると就職活動で有利になります。
日系大手企業は一般的に(1)(5)の段階で採用予定人数の50%~70%を確保することを目標にしています。
(6)にも採用枠はあり、近年は(7)にも採用枠を設けている日系大手企業は珍しくありません。
(最近は通年採用になってきています)。なお、ごく一部の企業ですが、(9)に採用枠を設けています。

B:外資系の大手企業を志望する学生の場合

就職活動の開始は(1)にすると就職活動で有利になります。ただし、(3)からでもチャンスはあります。
外資系大手企業は一般的に(1)(3)の段階で採用予定人数の90%以上を確保することを目標にしています。
(6)以降には採用枠を全く設けていない外資もあるので、外資志望者は就活をできれば(1)、おそくとも(3)から開始しないと受験チャンスを逃したり、不利になります。

C:日系の中堅企業・地元企業を志望する学生の場合

就職活動の開始の理想は(1)もしくは(3)ですが、(4)からでも間に合います。
日系の中堅企業・地元企業は一般的に(4)(6)における採用活動に力を入れています。
そして、大半の企業が(7)でも積極的に採用活動を行います。また(8)にも採用枠を設けている企業は珍しくありません。

◆就職活動を開始後、必ずやるべきこと

会社説明会もしくは合同会社説明会、業界研究セミナーにできるだけ多く参加して、自分に合った企業を複数、探すことが大切です。これらに参加すると事業内容・仕事内容が具体的にわかり、社員に直接質問もでき、多くの企業との比較も可能です。思いも寄らなかった(自分にとって魅力的な)企業を発見することが多々あります。
興味がある企業が見つかったら、その企業が主催するインターンシップに参加して、仕事内容をより詳しく知り、自分と企業とのマッチングの確認です。そして、マッチングの度合いが高い企業は、選考試験を受けます。

次回第二弾は、『インターン、セミナーとは』についてご説明いたします。

インターンシップの選考試験に受かる方法、内定の時期

会社説明会や合同会社説明会、業界研究セミナーの見つけ方と活用法

選考試験の中身((エントリシート・面接・グループディスカッション・筆記試験など)

について具体的に説明します。(2019年11月9日予定)
就活応援ステーション