就活準備


 ポイント2 就活前半のポイント/自己分析、情報収集、インターンシップ
「時間がある」と思ったら大間違い。12月までにやっておくべき行動は、驚くほどたくさんある。
自分研究、企業研究をきちんと継続すれば、目指すべき方向は必ず見えてくる!

就活前半のポイント
◆自己分析を生涯続く習慣にしてしまおう

「相手を知る」「自分を伝える」が就活。そう前ページで提示しましたが、実はその前段階があります。「自分を知る」です。考えてみれば当然のこと。自分を知らない者が誰かに「自分を伝える」ことなどできるわけがありませんから。就活関連の書籍に「自己研究」「自己分析」ものの本が多いのもこのためです。

では、始めましょう。あなたは誰ですか? 何者ですか? どういう人生を歩もうとしているのですか? ……こうした質問にすらすらと答えられた人はごく少数でしょう。当たり前です。「そんなこと考えてもみなかった」という人のほうが多いはずなのです。それでも辛抱強く自分に問いかけてください「私は誰ですか」と。この作業は就活だけでなく、これから社会人として生きていくうえでも、とても価値を持つ経験になります。

自己研究、自己分析の手法はさまざまです。過去の自分の経験をすべて書き出していく方法や、心理学的な分析手法を活用して自身の資質を知っていくやり方、家族や友人に「私はどんな人間か」とインタビューしていく方法、などなど。書籍も数多く出ていますし、就職情報サイトでも数々紹介されています。なぜそんなにたくさんあるのかといえば、一人の人間を分析するのは簡単なことではないからです。

Check Point!
自己分析用のノートを用意します。パソコン上のファイルでもかまいません。
そして、身の回りの人のつながり、家族、友達、知人、先輩、後輩、アルバイト先の人々……に「私の特徴」などを聞き、そこで得た回答をノートに書き込んでいきます。
就活の後半戦で知り合った人に第一印象を聞いて書き込むというのも効果的でしょう。
もう1つ、自分史のノートも用意しましょう。そこに文字通り、過去の自分の歴史を書き出していくのです。
いつ、どこで、どんな出来事があり、そのとき自分は何を思ったのか書きだしていく。
それによって「自分」という一人の人間の人物像が見えてくるはずです。


◆インターネット活用の情報収集は今や必須

相手を知る。つまり、企業研究を行ううえで不可欠な道具がインターネットです。自己分析を始めたばかりで「自分が何者なのか」もわからず、「どんな仕事をしたいのか」もはっきりしていないうちは、行き当たりばったりに思いつく企業サイトを眺めていても、照準を絞ることは難しいでしょう。やはり最初は就職情報の提供を行う専門サイトの利用が有効です。

リクナビ、マイナビ、日経就職ナビなど、著名な就職情報サイトの多くは、6月にプレサイト、12月に本番サイトと2段階でオープンします。6月にはインターンシップ情報や自己分析の情報などを提供。12月は様々な企業の情報を一斉に公開。サイト上から志望企業にエントリーできるケースも増えています。また、各就職情報サイトに登録をすると、あなただけのマイページ的なものを持つことが可能です。手に入れた企業情報などをウェブ上で保管できたり、自分の行動スケジュールをカレンダーで管理できたり、あなたのサイト登録アカウント宛てに企業からメッセージが届いたり、多種多様な機能を持っています。「どのサイトがいいか」は使いながらあなたが決めてください。むしろ最初は、どれか一つだけを選ぶのではなく、「メジャーなサイトすべてに登録する」ぐらいの気持ちで始めるべきでしょう。情報の早さや量や質、サービス機能の豊富さや使いやすさなどなど、サイトによる違いがわかってきてから、徐々に自分に合っていると思えるサイトに絞ればいいのです。

もちろん、魅力を感じた企業があれば、それらの企業の自社サイトもチェックしていきましょう。企業によっては、採用に関するページを充実させています。そこでしか手に入らない情報も多数あります。こうして、企業の情報に触れ、その都度、自分の将来を考え、企業の状況をイメージする繰り返し。これが就活の基本です。また、採用ページだけ見ればいいわけではありません。この企業!と絞ったらホームページ全体を見ておきましょう。

ただし、インターネットの活用で注意すべきことが一つあります。それは「登録をした」あるいは「気になる企業のサイトをブックマークした」だけで安心しない、ということです。情報サイトでも企業サイトでも、情報は日々変わります。時々刻々と新しい情報に触れられるからこそ、インターネットは活用すべきツールなのです。「登録しただけで、あとはたまに見るだけ」では、まったく意味がないということを理解しておいてください。

Check Point!
「withnavi就活」が発行している就活メルマガに登録すれば、豊富な就活情報を配信しています。
「withnavi就活」に限らず、リクナビ、マイナビ、日経就職ナビなど、主要な就職サイトの更新やメールで届く情報などにもこまめにチェックしていきましょう。
面倒がらずに面白がって続けていく。
それが情報収集を有効にする手だてなのです。


◆SNSを効果的に活用して、企業とつながる。

インターネットによる情報収集で忘れてはいけないものがもう一つあります。
ソーシャルネットワーク、つまりTwitterやFacebook、LinkedInといったSNSと呼ばれるものの活用です。
ほんの2〜3年前までは「個人と個人のつながり」がメインだったSNSも、急速に様変わりをして、企業もまたその活用度を向上させています。
多くの企業が自社サイトとは別に、Twitterのアカウントを設けたり、Facebookページを開設して、「ダイレクトに個人とつながる場」にしているのです。
一般消費者だけを対象にしている場合もありますが、それでも「どんな企業なのか」を知る上で、非常に参考になる情報源であることは間違いありません。

また、企業によっては「ソーシャル・リクルーティング」という名のもとに、採用のためのSNS活用を開始しているところもあります。経営陣や社員からのメッセージなどをより身近な表現で伝えているような場を活用しない手はありません。
SNSならではの双方向性を利用したプログラムなどがあれば、単に一方通行で情報をインプットするだけでなく、参加して双方向で交流することも可能です。

Check Point!

Twitterにせよ、FacebookやLinkedIn、mixiにせよ、就活に利用して双方向での「つながり」も企業との間に持つのだとしたら、注意すべき重大なポイントがあります。
それは「企業の担当者もまた、あなたのツイートやページを見ることができる」ということ。
これまで友達同士のリラックスした会話などの目的だけで利用してきたのであれば、今後は書き込む内容も注意して当然です。逆に就活での活用を目的に、初めて登録するSNSであれば、完全に就活モードの書き込みのみにしてしまうことも可能でしょう。
いずれにしても、「つながり」を持つSNSならではの注意を欠かさずに使うようにしましょう。


◆インターンシップは生きた情報の宝庫!

インターネットの活用を始めると、それだけで就活をしている気分、情報収集を着実に行っている気分になるかもしれませんが、それは大いなる勘違いです。最高の情報収集はリアルなつながりにこそある、ということを知っておいてください。企業によってネット上に発信されている情報は、それが仮に一言のみのツイートであったとしても「発信していいかどうかチェックを受けた上での情報」なのです。もちろんそれらは虚偽の情報ではありませんが、その企業の本当の実像に迫る情報収集をしようというのであれば、そこにいる人々とフェイス・トゥ・フェイスでつながりを持つことが最上なのです。

ではどうすればいいのか? 先輩や知人のつてなどを通じて、その企業の社員を紹介してもらうことも有効でしょう。その人がどんな人物なのか、どういう思いで仕事に打ち込んでいるのか、どんなムードが職場にあるのか……などなど、インターネットでは知りようのない情報に触れることが可能になるでしょう。もちろん、一人の社員の声が的確にその会社全体を表しているとは限りませんが、リアルな情報を手にしていくためのアクションには大きな価値があるのです。

ただし「そう簡単に人脈のつながりで、目当ての企業の人と会えるわけではない」と思った人も多いはずです。その通りです。そして、そうした人が多いからこそインターンシップという機会が年々増えているのです。インターンシップは自ら企画して実施している企業もあれば、就職支援企業のプログラムに参加している企業もあり、その形態はさまざまです。プログラムの内容についても千差万別。学生たちに仕事を肌で体感してもらうため、実際の部署に補助社員的に参加させるものもあれば、テーマを与えてインターンシップ期間中に課題を提出させる内容のもの、先輩社員とのフリーディスカッションを実施するようなもの……などなどです。

いずれにせよ、オフィスの空気を体感し、そこで働く人たちと言葉を交わし、学生同士で交流もできる貴重な経験。活用しない手はないと言えるでしょう。当然、企業の側も参加学生を見ています。原則論としては「採用評価に加えない」ことにはなっていますが、そこはしっかり意識して参加すべき。むしろ「自分を伝える」ことの練習と考えてもいいのです。メディアやネットではわからなかった生きた情報を収集して「相手を知る」絶好の機会とし、同時に「自分を伝える」アクションの鍛錬の場にしていく。それが効果的なインターンシップ利用なのです。

Check Point!

「企業を知る」以前のテーマとして「働くとは何かを知りたい」「まずは何か行動を起こしてみたい」という人にもインターンシップは有効です。
多くの場合、大学が夏休みになる期間に実施されますから、就活に対する心がまえを築いていく場にしてもいいでしょう。ただし、インターンシップは企業やプログラムによって期間もまちまちです。たとえば2週間続く1つの会社のプログラムに参加するやり方もあれば、半日や1日で終わるプログラムを選んで、複数の企業を次々と自分の目で見てみる機会にしていくことも可能です。自分で考えながら選択し、参加を決めていきましょう。


◆業界・仕事研究は消費者視点では見えてこない

アルバイトで企業のオフィスなどに勤めた経験でもない限り、多くの学生は「会社で働く」ということの実体を知らないはずです。それでも、消費者の視点で企業を見てきた日々がありますから、たとえばメーカーなどの仕事は「●●を作っている会社」、大手の小売業ならばその仕事は「●●で◆◆を売っている会社」というように解釈しているでしょう。それらがまったく的外れだとは言いません。しかし「仕事」の一部でしかない、というのが本当のところ。

自動車メーカーを例にすれば、たしかに完成した自動車を作っているのはそのメーカーですが、そこで使われる部品の多くは部品メーカーから調達しているケースが多いのです。コンピュータ制御の機能についてはハイテクメーカーとの提携でともに開発しているかもしれません。さらに完成した自動車を全国あるいは全世界で売るための物流を専門としているチームもありますし、それらを店頭で売ることを仕事としている社員もいます。企業によっては、これらの仕事をパートナー企業に一任している場合も珍しくありません。さらにいえば、どんな会社にも営業部、人事部、宣伝部、開発部などなどの部門に分かれています。だからこそ「消費者視点はごく一部」というわけです。

その会社の商品や店舗、CMなど、消費者の目に見える部分だけで企業のイメージをこれまでは持っていたでしょうけれど、これは氷山の一角。だからこそ業界研究や職種の研究、企業研究をしっかりとしていく必要があるのです。ここは勉強しかありません。研究用の書籍や新聞のビジネス面などを読み進めようとすれば、耳慣れないビジネス用語なども次々出てくるでしょう。しかし、それらがわからないままで「この仕事がしたい」などと口にするのは、やはり間違っています。世の中に無数にある「仕事」の中から「自分はこれがしたい」というものを見つけるための勉強です。もしかしたら、その仕事をこれからの人生でずっと続けていくかもしれないのです。ここは気合いを入れて勉強しましょう。

Check Point!

仕事研究、企業研究を進めるうえで頼りになるのが、一足早く社会人になった人たち。つまり親兄弟や大学の先輩などなど。彼らに仕事やビジネスの仕組み、関連業界について聞いていけば、本を読むだけの「勉強」ではわからなかった知識も手に入ります。一方、インターネットの検索機能も強力な相棒になってくれます。わからない単語に出会ったら、迷わず検索していきましょう。検索に慣れていくと、目当ての言葉の意味がわかるだけでなく、関連したほかの情報も手に入っていきます。「知る」ことの喜び、理解できることの喜びがじわっとわいてくるはずです。そうなれば、仕事研究は苦行ではなく楽しみにさえ変わるでしょう。


◆大学のキャリアセンター(就職課)は心強い味方!

ここまで読み進めれば、もう説明の必要はないと思いますが、就活とは「一人で孤独に進めるもの」ではありません。むしろ、家族や友人知人、初対面の大人たちまで巻き込んで、情報源にしたり、知恵袋として頼りにしたり、「自分を伝える」トレーニングの相手になってもらって進めていく。それが理想的な就活なのです。

そんな中、心強い味方になってくれるのが大学のキャリアセンター(就職課)です。当然のことながら、大学によってキャリアセンター(就職課)の位置づけや方針は違いますし、その活動の範囲も違います。しかし、間違いないのは学内における就活の専門チームであるということ。同じ大学の先輩たちがどんなプロセスで活動をしたのか、どんな悩みを抱えていたのか等々、ここでしか聞けない情報が蓄積されてもいます。もちろん求人情報や、OB、OGの情報、就活ガイダンス、企業説明会、模擬試験、就職相談など、有効な情報と機会が備わっている場所です。

12月に就活が解禁となってから初めてキャリアセンター(就職課)に足を向ける学生も少なくないようですが、それではもったいないのです。多くの大学で、専門の職員が相談に応じるため訪問を待っています。早くからここを利用し、気になることがあれば気軽に相談に行ける場所として、最高の味方としてつきあっていく。この当たり前な活用術を、もっと多くの学生が気づくべきなのです。

Check Point!

就活が本格化すると、多くの学生が疑心暗鬼に陥ります。いつでも誰かに監視され、評価されているような強迫観念に襲われる人も珍しくありません。
友人や兄弟などが心を支えてくれもするでしょうけれど、就活についての専門家であり、学生たちの悩みに毎年耳を傾けている存在が学内にあることを忘れてはいけません。
情報センターとしての利用はもちろん、こうした自分を支えてくれる味方としての活用法を知っていれば、強い気持ちで就活に臨めるはず。
強制的な行事でしか関わりを持たない学生も中にはいるようですが、実際、成功した先輩たちは、早い時期から上手にキャリアセンター(就職課)とのつながりを築いてきたのです。

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