就活準備


 ポイント3 就活後半のポイント/会社説明会、エントリーシート、面接との向き合い方
年末のガイダンスを経て、年明けからいよいよ就活が本番!時間は限られている。
いかに効率的に動くか。そして、軸のブレない活動を徹底できるかどうかが問われる。

就活後半のポイント
◆合同会社説明会(学内・学外)は"触れ合いの場"にする

12月に入ると、ほぼ一斉に企業の採用サイトがオープンします。インターネットだけに限らず、さまざまな経路で企業側の情報が飛び込んでくるでしょう。一方、学内では最初の大きなイベントとして「学内セミナー」「就職ガイダンス」「合同説明会」といったものが開催されます。呼び名は大学によってまちまちですが、どのイベントも「企業の採用担当者が大学を訪れて基本的な採用や経営方針についてガイダンスを行う」という内容です。

インターンシップに参加したり、人脈を通じて社員と会う経験を得た学生を除けば、皆がこのタイミングで初めて「企業」と触れあうことになります。もちろん、この先、就活は本格化して次々と企業に触れていくことになるわけですが、「初めての場」だからこその貴重な機会を無駄にしてはいけません。わからないこと、聞いておきたいことがあれば、気兼ねなく質問することもできるでしょう。後々参加することになる「選考も兼ねた説明会」とは、そこが大きな違いです。

せっかく「企業」が質問に応えるつもりで大学まで来てくれるのですから、「ただ説明を聞いて終わり」ではもったいない。自分をアピールするためではなく、社会人と触れあっていく最初のチャンスとして活用すれば、その後の就活で臆することもなくなっていくでしょう。恐れず、積極的に質問などをして触れあう場にしていきましょう。ここからは、すべての機会が情報収集の場であり、触れあうための場なのです。

Check Point!
大学生協主催の合同会社説明会など、12月に入って行われるガイダンス等には積極的に参加すべきです。
仮にそのタイミングで興味を感じなかった企業でも、その後の就活で魅力を感じるかもしれません。
[ポイント1]のページでも伝えたように「就活は出会いの場」。早いうちから、なるべく多くの相手と会っておくことで、「意中の相手」とめぐり会う可能性は高まっていきます。おそらく自己分析も企業研究も完全ではないはずのこの時期、このタイミングで、闇雲に「興味ある企業、ない企業」を分けてしまうのは、非常にもったいないこと。「最高の出会い」はどこにあるかわからないのですから。


◆エントリーシートは難しくない!

おそらく多くの学生にとって「生まれて初めて書くビジネス文書」がエントリーシートでしょう。実際、毎年のように多くの就活学生がここで挫折を経験しています。たしかに慣れないうちは苦戦するでしょう。しかし、「公式な文章を書いていく難しさ」を除けば、就活前半、つまり準備期間の内にしっかりと自己分析や企業研究をしていた学生ならば、「書く内容に困る難しさ」とは無縁のはずです。

そしてもう一つ、[ポイント1]で伝えた心がまえを思い出してください。就活は「試験に受かる」ための活動ではありません。「自分を正しく伝え、相手を知る」のが就活なのですから、背伸びをして「本当の自分よりも価値のある人間であるかのように書く」必要などないのです。入社する熱意もないのに、ことさらあるように書いたり、ろくに企業研究をしていないのに、さも勉強をしてきたように装って書いても、企業の採用担当者には簡単に見破られます。相手は採用のプロなのです。

まずこのタイミングでは、自己分析でノートに書き留めてきたような事柄を整理して、ありのままをわかりやすく書いていけばいいのです。ビジネス文書ですから、詩情あふれる文章など不要ですし、まわりくどい表現は禁物。読む人の立場になって、結論や具体的な事実を端的に伝えていくような文章の書き方に慣れていきましょう。

「エントリーシートを何枚出したか」を自慢げに語る学生も目にしますが、その自慢の善し悪しはさておき、たくさん書くことは決して悪いことではありません。なぜなら、「書く」という技術は、繰り返しの鍛錬で急速に向上する性質のものだからです。ですから、安直に「一度書き上げたものをコピーして貼り付けるだけ」で、エントリーを増やすことは避けましょう。それもまた採用担当者は見抜きますし、なにより自分を成長させる機会をみすみす逃してしまうことになるのです。

Check Point!
「事実+想い」が「自分を伝える」ときの鉄則
「具体的な事実を挙げながら」とはいうものの、単にエピソードを羅列するだけでは、「自分を伝える」ことにはなりません。そのエピソードを通じて、あなたが「何を感じたのか」「何を学んだのか」についても、短い文章でいいですから書き込んでいきましょう。その短い文にこそ「あなた」が表れているのです。

志望動機はイマジネーションで
「業績が伸びているから」「業界トップシェアだから」といった企業が喜びそうな情報を志望動機として引用しても、それだけでは「あなたがこの会社に入ろうと思った動機」にはなりません。「業績が伸びている会社に入りたいのはどうしてなのか」を書いたとき、初めて「動機」になるのです。しつこいようですが「何を書けば採用担当者にウケがいいか」という発想は徹底的に就活から排除しましょう。素直に「この会社に入った自分」をイメージし、「どういう場でどんな仕事ができたら幸せか」をイメージする。それが志望動機を明確にする有効な手法です。


◆筆記試験だけは受験と同じ。早期スタートでしっかり学習を

個別の説明会やセミナーが開催されると、企業側では本当の意味での選考がスタートします。筆記試験がどのタイミングで行われるかについては、企業によってまちまちですが、多くの場合、グループ面談や面接の手前の段階で行われます。

試験内容は大きく分けて3つのタイプ。ほとんどの企業がこの3つを実施します。
(1)性格や行動パターンを心理学的見地などから明らかにしていくための性格適性検査。
(2)基礎的な「学力」を測定するための能力適性検査。
(3)「一般常識や情報収集力」を問う知識検査。

以上の3つが具体的にどんな形式のテストになるのかは、やはり企業によって異なりますが、たとえば有名なSPIは、総合的な適性を判断するために開発されたマークシート方式の能力・適性試験で多くの企業が導入しています。また、上記3つの他に、考え方や価値観を判断するための論文作成や、業界・企業ごとに必要とされる知識や能力を問う独自テストが行われるケースも珍しくありません。

いずれにしても、ここは受験にもよく似た「試験対策」が必要です。なかでも一般常識や時事問題で好成績をあげるためには日頃のトレーニングが大切になります。問題集や参考書が書店には多数ありますし、各就職情報サイトにも掲載されていますので、早いタイミングから勉強をスタートしておくことをお薦めします。

Check Point!

筆記試験対策のポイント
大学入試時を思い出してください。とにかく勉強あるのみです。学力系のテストや、適性検査系のテストも軽視せず、問題集の類を各大学生協店舗等で購入し、トライしていきましょう。そして、不慣れな一般常識や時事問題の対策には特に力を注ぎましょう。関連参考書や問題集と向き合うのはもちろんのこと、新聞やニュースサイトにも毎日目を通し、できればそれらについての感想をまとめ書きしていけば、力はぐんぐん伸びていきます。


◆企業の人と会うすべての機会が「面接」だと心得る

まず心得ておいてほしいのは、年が明けてから出会う「企業の人」たちは、すべて採用のため評価をする目であなたを見ている、ということです。いたずらに緊張をあおるつもりはありませんが、そのくらい高い問題意識で言動すべきです。ただし[ポイント1]のページから一貫して伝えてきたように「自分を等身大以上の人間に見せかける」必要などありませんし、そんなことをしても見破られるだけです。そう捉えれば、過剰に緊張することもないでしょう。もちろん、清潔感を保ち、礼儀正しく、誠実にふるまうことは必須ですが、「こういう場面では絶対にこうしなければいけない」などというマニュアル本的な堅苦しい言動は必要ありません。

マニュアルに書いてありがちな「ここでノックを」とか「このタイミングでお辞儀を」といった細かな「セオリー」を意識するから、必要以上に緊張して失敗するのです。そもそも、企業は学生のそうした失敗には寛大です。安心しましょう。なぜなら次のポイントが「いつも通りのリラックスした自分」を見せることだからです。「就活は、企業にとっても学生にとっても出会いの場、お見合いの場」と終始伝えてきました。「いつもと違う自分」を見せてしまい、意中の企業に入れないことも不幸ですが、逆に「いつもと違う自分」が評価されて入社したなら、「価値観や発想が合わない会社での日々」を送る不幸に見舞われかねません。モチベーションが上がらず、その結果パフォーマンスも上がらない社員を抱えることは企業にとっても不幸なことです。「いい出会い」「誤解のない出会い」にするためにも、あなたの平常心は不可欠なのです。

「とにかく内定を」という焦りから開放され、「ここは出会いの場。素直な自分を見せればそれでいい」と思えば、考えたこともすらすら話せるでしょう。いざ面接となれば、意表を突くような質問をされる場合もあります。あなたとの「出会い、見合いの場」と考える企業にしてみれば、「突然の意外な事態に遭遇したとき、この人はどうなるのか」を知っておきたいのです。その気持ちがわかれば、慌てることはありません。むしろ楽しむくらいリラックスできていれば、面接が大汗をかくような場ではなくなっていくはずです。

とはいえ、人生で初めての経験です。しかも面接のタイミングになってからは、あっという間に時は過ぎて、就活も終盤戦になってしまいます。後悔をしないため、出来る限りの準備は必要です。もともとコミュニケーション能力の高い人や、ずっとアルバイトで社会人と接してきたような人ならば、複数の会社で選考面接を重ねていくうちに慣れていくでしょう。しかし、自分はそうではないと思うなら、選考スタートの前段階から社会人とコミュニケーションする機会を自分で作っていく、というのも有効な準備です。友人の兄弟でも、アルバイト先の上司でも、教授でもかまいません。なるべく多く、大人と会話する機会を作っていきましょう。

また、大学のキャリアセンター(就職課)では希望者に模擬面接のプログラムを提供しているところもある。本番の面接の前に、予行演習をしておくことは、一般的な対策です。さまざまな準備さえ行えば、いざ本番となっても「やるべきことはやった」という自信が落ち着きをもたらしてくれるでしょう。

Check Point!

面接は企業をあなたが評価する場でもある
面接は就活のクライマックス。どれだけ的確に自分を伝え、どれだけその企業のことを理解し、そこでの仕事を熱望しているか伝えることが必要になります。ただし、面接にはもう一つの側面があります。「相手(企業)を知る絶好の機会」ということです。「自分が評価されるかどうか」でドキドキするのではなく、「ここが本当に自分に相応しい場所かどうか、こちらが評価する場でもある」と心得ておくべきです。最終面接では経営陣と話ができるのです。こんなチャンスを活かさない手はありません。聞きたいことがあれば臆せず質問していいのです。

意外に多いケアレスミスに要注意
実は、ごく基本的なミスが面接の結果を左右している、という声を多く聞きます。「面接会場を間違えた」「緊張して前夜なかなか眠れず、気づいたら寝過ごして遅刻した」などなど、普段ならあり得ないような失敗をしがちだというのです。対策は簡単。場所と時間を必ず確認し、かなり大幅な時間的余裕(たとえば1時間前というように)を持って会場に到着する。このクセをすべての面接で続けていけばいいのです。

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