坪田まりこの就職塾2011

坪田まりこの就職塾2011 第10回
面接対策第五弾 いよいよ本命の大手企業面接開始。絶対に選ばれる学生になる!その心構え&大作戦

はじめに

みなさん、こんにちは。

いよいよ4月。大手企業の面接が一気に解禁となりました。どんな気持ちでのぞんでいらっしゃいますか?毎日面接という方も多いはずです。ましてや朝、昼、夕方の3本も面接が入っている学生など、まるで売れっ子タレントなみに、時間との勝負をしている学生もいらっしゃることでしょう。

なんといっても、まずは体力・気力勝負です。気持ちで負けないだけでなく、健康にも充分に気をつけてくださいね。今回は、絶対に選ばれる人になる!ためのあれこれをまとめてみます。
私のページをご覧くださったあなたがもしも快調に進んでいるならば気を引き締めるために、その反対に落ち込みぎみの方には、やるべきことをきちんとやっているのかどうか再確認のためにご活用いただきたいと思います。

面接室に“良い空気”を運んでいるか

面接は入室からはじまります。個人面接のみならず、集団面接もそうです。
個人面接の場合には、どこでお辞儀をしてどこで座るなどというパターンが、比較的分かりやすいと思いますが、集団面接になるとどうしても、自分の入る順番によって、バラバラになってしまうことがあるようです。
こんなことでは面接室に“良い空気”を運ぶことなんてできません。なぜ“良い空気”を運べるといいのでしょうか。
それは、朝から晩まで面接を受けるあなたたちが疲れている以上に、面接官はもっと疲れているからです。

私は、人物を“見抜く”ことが面接だと考えています。
言葉は強すぎますが、エントリーシートに書かれたことが本当であるか、そしてこの学生を採用したときに社内外と良好な関係が築けるであろうか、などあなたの本質をしっかりと見極めるのが面接です。

私などもそうですが、終日の面接が終わったときにはもうぐったり。極端なことをいえば、一日中、期待できそうな学生が一人もいなかった日にはその疲れも倍増です。だからこそ、入室してきたそのとき、目が覚めるほど、気持ちの良い空気を運べる学生がいたら、それだけで嬉しくなるのも面接官の心情です。
質疑応答の際にも同じ。中身はイマイチでも良い空気の学生は得をするはずですし、退室時も油断はなりません。

これから集団面接の場合と個人面接の場合の再確認事項を列記します。今までのやり方とどこが違うか、しっかりとチェックをお願いします。

集団面接時の留意事項

入室時
<最初に入室する学生は、ドアをあけたときドアノブは持ったまま「失礼します」と一礼すること>
このとき、自分が入りドアを閉めてしまう学生が時折いらっしゃいます。次の人を締め出すってどういうことですか?
協調性に欠けます。この時点であなたの採用はありません。

<自分が挨拶をしたならば、後ろの人をしっかり見て、ドアノブを渡してあげること>
リレーのときバトンを渡すイメージです。リレーのときは必死の形相ですが、この場合には、“どうぞ”というような優しい笑顔で渡しましょう。さっさと自分だけ入り、ドアが閉まりそうになるのを次の学生が慌てておさえるというシーンも見かけます。ご留意ください。

<最後に入る学生は、ドアを閉めてから挨拶をすること>
2番目、3番目と続く学生の場合には、最初の学生同様に、ドアノブを手に持ったまま「失礼します」と会釈をしますが、最後に入る学生は、個人面接用の正しい形式が活用できます。
ドアを閉めてからその場で振り返り「失礼します」と姿勢よく挨拶をしましょう。
入室後の挨拶
集団面接の場合には、全員が入ってから、面接官が声をかけてくれる場合が多いと思います。
「どうぞおかけください」とか「お一人ずつ、大学名とお名前をどうぞ」などです。

もちろん声をかけていただくまで、学生は立ったまま待つことになりますが、その際、デキル学生は、コートやカバンを持ったまま挨拶はしません。入室して自分の席の側に来たら、まずコートとカバンは下におき、何も持たないで正しい姿勢で待ちましょう。

立ったまま挨拶をする場合には、しっかり声を出し堂々と述べること←緊張のせいか、声が小さかったり早口すぎて名前がはっきり聞き取れないだけで論外です。他の学生にこの挨拶時から差をつけましょう。 座ってから挨拶をするときも、前記同様、正しい姿勢でハキハキと挨拶をすること
面接中の留意点

なぜ集団面接であるのかをしっかり理解しておく必要があります。個人面接よりも厳しいのが集団面接だと思うべきです。
なぜならば、他の学生と一目瞭然に比べることが出来ますので、企業にとっては時間の短縮になるだけでなく、比較が分かりやすいというメリットがあります。早い段階の面接形態が集団面接であることでもそれが明らかでしょう。

学生をまず選別する段階では集団面接にし、あとは個人面接でじっくりと絞り込むという流れです。従って、集団面接こそ、絶対に気を抜いてはいけません。他者と比べられているのですから、前記した立居振る舞いやマナーだけは絶対に勝つつもりでのぞんでください。
<隣の人よりも小さな声で話さないこと>
隣の人よりも大きな声で!と申し上げると、ときに大きすぎる声を出す学生がいます。これは論外です。

<質問された後まず「はい」と受けること>
もちろんいきなり話し始めてもOKですが、学生によっては「エー」とか「あのー」という口癖があります(大人もそうですが)。この口癖があるだけで、ない人にくらべるともたついてしまいます。ですから、テキパキとした印象を出すためにも、まずは笑顔で「はい」と受けてから話しはじめましょう。

<自分だけ長く話さないこと>
集団面接はみんなのための時間ですから、一人だけ長く話すだけで協調性がない学生であると見られてしまいます。

<他の学生が話しているときの目線に留意すること>
話している学生をじっと見ている学生もいますが、見すぎているのは好ましくありません。横を向いて(その学生を見て)頷いている学生の表情は決していいものではありませんよ。
とくに自分が殆ど答えられていない学生の表情は、羨ましそうにまたは不安そうにその学生を見ています。そんなことをするより、しっかり前を向いて心の準備をしていたほうがいいのでは?自分が出来ていないのに、人の話を傾聴している姿はあまり効果的ではないと私は考えています。

<他の学生の話は聞いておくこと>
前記したことと相反するように見えるでしょうがそうではありません。耳で心で、話の内容をしっかり聴いておくということです。どきどきいじわる?な面接官がいて、突然「○○さん、今の方のご意見についてどう思われますか?」と質問されるときがあります。当然、きちんと聴いておかないと自分の意見など言えるはずもありません。こんな場合、慌てる学生としっかり答えられる学生と明確に選別できます。くれぐれもご留意願います。

退室時

個人面接同様に、退室時も爽やかに挨拶をしたいものです。「以上で面接を終わります」というような声がけは必ずあります。
その際に、座ったまま挨拶をする学生と、立って挨拶をする学生と分かれることがあります。
できれば、立って挨拶をしたいものです。しかしながら、できる場合とできない場合がありますのでご留意ください。

椅子が全員分くっついていた場合には、立って挨拶はできないでしょう。両端の学生はそれが出来ても、間にいる学生には椅子がくっついている場合には無理です。そうではなく、椅子の一つ一つが離れている場合。おそらくその場合には、椅子と椅子の間に学生一人が立てるだけの充分なスペースがあるはずです。最初の挨拶もそのスペースでする、最後の挨拶もそこに立つことが出来れば、好印象間違いなしです。

「ありがとうございました」の声は立って姿勢を正したらすぐに言うこと←このとき、立てない場合には座ったまま、すぐに言いましょう。他の学生を見ながら、タイミングを合わせるような学生がときどきいらっしゃいますが、それはおかしいと思います。出遅れないように挨拶が出来ることこそ、主体性につながると思いますが、いかがでしょうか。
最初に出る学生はドアを閉めたまま「失礼します」と会釈をすること←個人面接の退室の仕方と同じです。
二番目以降の学生は、ドアノブ持ったまま、挨拶をし、次の学生に笑顔でリレーしていくこと

立居振る舞いや話し方以外で、心構えとして持っていてほしいことがあります。
それは他の学生の回答が素晴らしすぎる場合でも圧倒されてはいけないということです。
確かに、集団面接とは面接官にとって選別が分かりやすいために、当事者である学生同士でもそれが分かるでしょう。しかし、最後まで結果は分かりません。堂々と話しているように見える学生のその話、面接官は良いと思っていないかもしれませんよ。自信がないと思っているあなたの話、面接官はそちらの方に心を傾けているかもしれません

最後まで諦めてはいけないのが集団面接です。自分から諦めている学生の顔は一目瞭然で面接官には分かります。総合職の面接であれば、そんな学生は要りません。だからといって、攻撃的であるのもよくない。難しいですね。とにもかくにも、その面接室でしっかりと存在感を示しつつも、他人と良好な関係を築けそうな空気=雰囲気をかもし出すことが必要です。そのために、やはり自分をしっかり持ち、慌てず動じずという意識が必要だと思います。

個人面接の留意点

一次面接から個人面接という企業も少なくありません。それは嬉しいことだと思いませんか?
学生によっては「坪田先生、いきなり個人面接だそうです。焦るウ。。。」などと相談にくる学生もいらっしゃいますが、私は「集団よりもマシです。よかったね」と答えています。先に述べたように、集団面接の方が難しいのではないでしょうか。
それよりもあなたただけを見つめてくれる個人面接は最高だと思うべきです。

個人面接の立居振る舞いについては、第5回「選考が早い企業は、もう面接が始まる!面接対策第一弾マナーを知って活用する」で詳しく書いてありますので、ぜひご活用ください。

グループディスカッション面接の留意点

コミュニケーション能力と問題解決能力を試されています。従って、意見をしっかり述べるということが大前提です。しかしながら、本論に入る前の一人一人の挨拶から選考は始まっています。グループ全員に聞こえるようにしっかりと声を出し、明るく挨拶をしてください。まずは協調性が重要です。
 次に、人の話を聞く時には、必ず話し手を見るようにしてください。この点、集団面接時と違いがあります。聴き方を含む取組み方の詳細は、第六回「面接対策第二段 グループディスカッション対策を始めよう」をご参照ください。

心構えについて

 “緊張しないこと”私はこれが一番大切な心構えだと思います。
こんなことを申し上げると「えーっ無理!!絶対!!無理」と誰もが悲鳴をあげそうですが、私は心から真面目に“緊張してはならない”と考えています。  

なぜ緊張するのでしょうか。それはあなたたちが面接室に入る直前まで、志望動機や自己PRを繰り返して練習していたり、入室の動き方などを頭の中で考えているからではないかと思います。
入室前の一番大切なそのときに、そんなことを考えているから緊張するのだと私は思います。 入室前にはもっとリラックスしてください。大きく深呼吸をするなどして、心を落ち着けるようにしてください。集団面接ならなおさら、“自分らしくできるように、人に振り回されないように”って何度も心の中で自分に言い聞かせることが大事だと思っています。  

私は学生のみならず、社会人からも、上がらない秘訣、緊張しない秘訣について教えてくれという質問をよく受けます。おそらくそんな方々からは私が上がっていないように見えるからだと思います。でもそれは違うんですよ。

私だってあがります、講演や講義に前にはいつもドキドキしています。でもどうしていざ人前に立つと明るく挨拶が出来るかといえば、理由は二つあります。一つは嬉しいから、もう一つは心のスイッチを入れることを忘れていないからです。

私が嬉しいのは、私を待っていてくださる方がいると思うからです。
この会場に、この教室に私の話を聞きにきてくださった方がいると思えば思うほど、嬉しくてありがたくて仕方がありません。
なぜならば、誰かのお役に立ちたくてこの仕事をしているからです。

それ以前に、話を聴いてくれる人がいることは何よりも嬉しいことだと思っています。だから教室や会場に入る前に心にスイッチを必ず入れるようにしています。待っていて下さる方にベストを尽くして最後まで話が出来るように!って、自分に言い聞かせているのが私のスイッチです。

実は、講師としての10年、このスイッチを入れないまま人前に立ったことはありません。どんなに時間がないときでも、このスイッチを入れることが私にとっての緊張をほぐすための何よりも大切なことだからなのでしょう。きっと私は気が弱くて、本当は自信がないのかもしれません。それでも“私を待っていてくれる人がいる。だからその方々のために一生懸命お話しよう”と改めて言い聞かせるだけで、自分の中に“なんだかやれそうな気がするウ”(笑)って思いが湧いてきますよ。皆さんもぜひお試しください。

まとめ

誰もが、面接とは厳しいもので恐いものだという認識をもつのは仕方がありません。しかし、面接だって“人との出逢い”なのです。それも偶然の出逢いなんかではなく、先にあなたが提出したエントリーシートを見て、「こんな学生に会ってみたい」と企業が思ってくださったからこそ、あなたは今日の面接に来ることができたのです。嬉しいでしょう。それともあなたは、選ばれたこと、面接に来れたことが悔しいですか?哀しいですか?

だからこそ心にスイッチオン。自分を選んでくださった方々が、このドアを開けたらいらっしゃるんだ!という認識、そして感謝の気持ちをまずもつべきです。感謝の気持ちがあれば、自然に笑顔になることができると思います。良い空気は、テクニックからはじまるのではなく、その企業や面接官に対し、“私を選んでくれて、今日の機会を与えてくれてありがとうございます”という感謝の気持ちと、“ここまで志望動機や自己分析など頑張ったのだからきっと大丈夫、やれる!”という気持ちを持っているからこそおのずとかもし出されるものだと私は考えています。ここまで頑張ってきたご自分のプロセスに自信を持てばいいだけなのです

頑張ったあとは、結果は潔く待てばいい。頑張るという言葉はありきたりですが、面接こそ、“一生懸命頑張る”という気概をぜひ持っていただきたいと思っています。誰のためでもなく、あなたご自身の夢のために!

来月は、この4月の皆さんの活動を振り返っていろんなことを書いてみたいと思っています。最後までともに頑張りましょう。ご自分の力を信じて、勇気を出してくださいね。

それではまた来月お目にかかりましょう。

坪田まり子